これさえあれば

私はこれまで、「お酒と友達と音楽と動物たちと本さえあれば幸せ。。。」的な事をいろんなところで、いろんな人に言ったりメモしたりしてきたけれども、それは元々の状態が0からスタートしている若い恵まれた発想でした。辛い、苦しい、マイナスの条件に囲まれている状況では、「〜さえなければ、〜さえ治れば、〜が帰ってくれば。。。」と、その辛さ、不安、が去ってくれるだけで幸せ。
年をとっていくこれからの人生は「〜さえなければ」という場面がどんどん増えていくことでしょう。病気とか、借金とか、変な人間関係とか、過去の嫌な記憶とか、責任とか。年をとるということは、欲の質も変わっていくのですね。

いやいや、年齢だけが原因ではありません。そもそも、最初からそういうものを背負わされている人もいるのですよね。普段満足して生活していると、人の背負っている物については目に入りません。目に見えないけれども、何らかの物を背負っているのです。みんな。それが年をとるにつれて増えていくというだけで。

辛いことのあった人は優しいというのは、そういうこと。人が皆、背負っているという事を普段から忘れていないために優しい。