のれん

最近キノコさんと仲が良い。それは、一緒に居る時間が増えたからだ。二人で話をする機会が増えたからだ。だんだんお互いのことを知っていくと、お互いのペースがつかめてくる。ゆっくり話をしながら散歩をしたり、一緒にお茶を飲んだりしながら。そういえばチビコちゃんともこうやって少しずつ仲良くなっていった。一気に仲良くなるのではなく少しずつ、そしてテンションの低いときにも一緒に居れるような仲に到着すると心地よい。

え〜、『星の王子様』の中に王子様と狐が出てくるのだけど、今までは2人の別れの場面にとても実感が湧いていたのだ。でも最近は出会いのシーンを思い出す。少しずつ少しずつ近づいて仲良くなるというところ。手間を惜しんでは中々近くにいけないし、最初の距離感を恐れる必要はない。そんなこと、頭で考えなくてもできる人になりたかったね。でもちょっと気がついた。
その『星の王子さま』ですが、ここでも書いていることからわかるように、時々何かあると思い出して、そういえばこういうこと書いてあったよなぁ、いろんなことが書いてあるのなぁ、大人になって読み返すほど違う読み方が出来るなぁ・・・。なんてちょっと感心したりしてるのです。が、よく見るとその内容には実は新鮮な発想はたいしてなくて、他の本や人も結構言っているようなことが書いてある。「大切なものは目に見えない」とか「お金と時間がどうこう」とか。でもこれだけ人気があって続いている秘密は、人が人と関わって感じたり気がついたりする誰もが感じる思いが、ちょっとだけ抽象的に物語の仲に沢山織り込んで書いてあるので、読んだことのある人は何かを感じる度にそこのくだりを掘り起こして思い出して、また読みながら自分の体験を思い出して、「ああ、私の感じたことがここに既に書いてあった!すごい本だなぁ・・・。」って感じるのかも。書き方もちょっと抽象的だからその感情とぴったり来る一文を自分自身で探し当てた感が強くてよけいに印象深くなる。
もしも、同じようなメッセージがとてもわかりやすい言葉で、箇条書きで書いてあっても飽きてしまうし、深すぎるところに埋められていても発見できる人は少ない。「普段は埋もれていて、必要なとき(何かがあって心がいろいろなものに引っかかる時)に自分で引っかかって掘り出されて見つけることができるくらい」の距離というかレベルというか、が長く人気を集める理由の一つかなのかもね。

まぁ、あとこの本自身のイメージもある。なんだかお洒落だ。フランスだし。イラスト可愛いし。作者事故で行方不明だし。雰囲気。それら全て込みでこの本の人気なんだろうけど。好きな本ですっていうの、ちょっと恥ずかしいけど。
あ、恥ずかしついでにいうと、今流行のレッサーパンダの夢を見てしました。歩いて抱きついてきたので、餌のパッションフルーツをやると丸ごとむしゃむしゃ食べてた。悔しいが可愛かった。