道

ここ数日、寮にいながらにしてリゾート地で羽を伸ばしているような日々を送っています。(昼前に起きて、何か少し食べて、ごろごろと横になりながら読書をしているうちに眠くなってうたたね。夕方から動き出し、買い物、洗濯、夕食・・・。)小心な私の心を内側から罪悪感がちくちくとつついてくるので、今日は排水溝の掃除と冷蔵庫の掃除と洗面所の掃除をしてみました。きれいになるのは良い気持ち。
昔、中国の南の島で半年くらい生活していたのだけれど、こうしているとそこでの日々を思い出します。中国といってもその町は東南アジアの雰囲気。傘を被って天秤棒で荷物を運ぶ人々や、街角では褐色の肌の青年が子豚を鉄棒に刺してこんがり焼いていたりします。白い古びた建物は軒下が通路になっています。力強い緑の木々、殺されそうな昼間の太陽、夜市では遅くまでオレンジ色の電球が光っています。夕方になってお腹が減ると、シャワーを浴びてから外に食事に出かけます。子供や老人が遊んだり涼んだりしている広い芝生を歩いて横切って町に出かけます。汗を流しさっぱりした体に風が吹きつけてとても良い気持ち。気分のよさでなんでもない日常風景がとても大切な瞬間に思えてきます。今日は何を食べようかと迷って選んだのは行きつけの屋台で、その調理台の上には様々な食材が並んでいます。その日美味しそうな食材を数品選び、調理方法を伝えて席に座ります。ベーコンと、ブロッコリーをいためてもらったり、トマトを卵と炒めてもらったり、茄子を炒めてもらったり(炒めるのが多い・・・。)魚を選んでスープを作ってもらうこともあります。そして、ビール。中国のビールはアルコール度数が低めで飲みやすく、どんどん飲めます。まず一人一本ずつ。もちろん手酌で。すぐに運ばれてきた料理を美味いねぇ、美味いねぇとほおばりながらビールを飲んでいると、全身に汗が流れます。汗を拭いながら食べ終わり、ほろ酔いで岐路につきます。その頃にはもう月が昇っていて、月明かりに照らされながら池の周りの椰子の木の続く道を歩いて帰るのは実に良いのです。帰ってから二度目のシャワーを浴び、ベランダに出て洗濯機を回しながら籐の長いすで涼んでいると、小さな肌色のトカゲがチッチッチッチと鳴きながら壁を這い虫を食べているのが見えます。友達が誘いに来れば近くの茶屋に出かけてスイカのジュースとぺったんこの甘いパンケーキを注文しぽつぽつ話をしながらゆっくり食べます。人々は、子供達も夜遅くまでサッカー中継などを見ながら盛り上がっています。
ああ、また行きたいなぁ!でも、楽しかった思い出のある場所を今度は一人で訪れると、思い出の中のその人達がいないのが寂しく感じるんだよね・・・。年をとるにつれそんなところがどんどん増えていくんだなぁ。く〜切ない!