浪曲寄席

先日のライブから続く浪曲小ブーム。
国本武春さんのライブをきっかけに「へー、浪曲かぁ〜。」と改めて浪曲の存在に気づくこういう人は多いんだろうね。
そんなわけで、先週土曜日、ちび子ちゃんと共に一心寺の浪曲寄席に行ってきました。一心寺シアターを過ぎて20歩くらい歩いたところにある小さな建物には全部で50人位入るかな?そこがほぼ満員でした。一般2千円、学生は千円。出演は登場順に、真山誠太郎、菊池まどか、松浦四郎若、天中軒月子の4名です。それぞれ30分くらいずつで計2時間ほど。あっという間に感じられました。
図書館から借りてきた『上方芸能』の「関西浪曲人名鑑」からの情報とミニ感想。

◆真山誠太郎/昭和20年生まれ。平成5年真山一郎に入門。平成10年初舞台。別に事業を営む多忙さの中自分が出演していない公演でも婦人ともども顔を出して他人の舞台を研究する傍ら若手に混じって進んで裏方の手伝いを買ってでている。人当たりも律儀で礼儀正しく、周囲の評価も高まっている。
…私の人生初の生の浪曲はこの方です!カラオケでの語りだったのが意外でした。そういうやり方もあるのですね。

◆菊池まどか/昭和51年生まれ。平成15年京山小円嬢に入門。平成17年初舞台。平成18年文化庁芸術祭新人賞、大阪舞台芸術新人賞、19年大阪市咲くやこの花賞。三つのビッグな新人賞を射止め、順風満帆のスタートを切り、実力と運を兼ね備えたまさに浪曲に待望久しいスターの誕生となった。河内音頭や民謡、歌謡曲も歌う。
…なんといっても歌が上手!!ざらつきがなくて豊かな声が本当に良く伸びて惚れ惚れします。話は明るく初々しくて活きがいい!

◆松浦四郎若/昭和20年生まれ。昭和45年松浦四郎に入門。46年初舞台。周囲への気配りとマナーのよさは浪曲人のお手本のような人で先輩後輩を問わず信頼を集めている。本格的な内弟子修行をした最後の世代として、自分の精一杯をその日その日の舞台にぶつけることがモットー。浪曲の伝統を伝える折り目正しい正統派の第一人者として、長年の研鑽がようやく花開いてきた。
…まどかさんの後の登場で、「ベッピンさんの後には男前が登場する決まりで…。」と自分で言いながら顔を赤らめておられたのが可愛かった(笑)。話も歌も、なるほどこれがプロ!と、引き込まれました。品のある方。

◆天中軒月子/昭和28年生まれ。昭和44年四代目天中軒雲月に入門。同年初舞台。もともと歌手志望だったが、紹介された師匠に歌手よりも浪曲に向いていると勧められ浪曲師になった。四郎若、倖若らとともに最後の内弟子修行世代として、浪曲の伝統を伝える中堅として活躍している。平成18年念願の歌謡曲をキングに吹き込み、少女時代からの夢を実現させた。こつこつ辛抱強い努力家で、名古屋には良き後援会もあり、雲月亡き後その名跡を受け継ぐ最右翼として、新作にも意欲的に取り組み、今後一層の飛躍が期待されている。
…風邪をひいておられるようでしたが、それでもさすが、という語り。男性の台詞も違和感なく聞けて話に集中しやすかったですし、遠慮なく笑ってもいい懐の深さを感じます。ハプニングがあってもうまくその場を切り盛りできそうな、聞き手の小さなリアクションも流さずに語りに反映させそうな。人気のある飲み屋のママみたいな。(容姿の印象か!?)

三味線の人が時々演じ手の語りに答えるように弾きながら「う゛〜ん゛!!」と言いますが、その語り手と伴奏のやり取りを聞くのも好きでした。

面白かったのでまた行こうと思います。