それはホットケーキじゃった。

コンコン、コンコン、明け方小さく戸を叩く音に気がついて、カラカラと開けると、そこには白い碗を手にした茸がたたずんでいたそうな。「牛乳をおくれ、オラのこの碗に一杯、牛乳をおくれ。」茸がしきりにそういうのでそのうつわに牛乳をそそいでやると、茸はさも嬉しそうな様子でどこかへ消えてしまったという。はて、あれはいったいなんだったのじゃろう?村人が首を傾げていると、その半時間後、何というコトじゃろう、部屋にはいつの間にか湯気の立ち上る蒸し饅頭が届けらていたそうじゃ。それはそれは美味い饅頭で村人はたいそう喜んだと言う。これが「足りない材料は貸し借り」というお話しじゃ。とっぴんぱらりのぷう。(きのこさんに牛乳をあげたらホットケーキをくれたという話。)