壬生義士伝 上 (文春文庫 あ 39-2)寝る前にチョコチョコ読んでる『壬生義士伝』が面白い。浅田次郎は『蒼穹の昴』が素晴らしかったんだけど、これもなかなか良さそう。最初の方で出てくる元新撰組で今は飲み屋の親父のセリフ。「それが、武士ってやつさ。本音と建前がいつもちがう、侍って化け物だよ。俺たちはみんな、武士道にたたられていたんだ。」たたられてるという自覚があるのだ。飲み屋の親父が元新撰組っていう設定がすごいよなぁ。そうだよ、あったかもなぁ。その親父に今の時代の様子をあれこれ語らせるあたりが巧みだなぁ。
え〜っと、『蒼穹の昴』に出てくる「譚嗣同」。この人物の描かれ方が実に良くってねぇ…何とかしてあげたくなるというか、ホントにツボにはまったのでした。多分猫がポイント。あぁ、譚嗣同さ〜ん、と切ない思いを抱えて殺される場面を読んだもんです。今でも本屋でこの本を見つけると、この人の場面だけ探して読んだりするのです。