パッチギ!

アンソン役の高岡青年

や〜、良かった。余り期待していなかっただけに、大満足!忘れないうちに書いときますよ。井筒監督の新作「パッチギ!http://www.pacchigi.com/、まず劇場に入って始まるまでの間に流れてる曲(こういうのなんていうんだっけ?)が『悲しくてやりきれない』『イムジン河』『あの素晴らしい愛をもう一度』で、ここから既に「うわぁ〜」ってなもんです。久しぶりにこんなにはまる映画を見ました。こんなにはまって見れた一番の理由はなんだろうと考えたときに、出演俳優のほとんどが知らない人達だったってことかな、と思いました。初めて見る人達だから、その人本人が役柄そのもので、その場所で本当に生活していると思ってのめり込んで見れた。この俳優の演技がうまいとか下手とか考えないで。その点で、オダギリジョーが一人浮いちゃってたんだよなぁ・・・私の中で。だって、彼はどうやったってなぜか片仮名で名前を書く「オダギリジョー」なんだもの。
あと、「酒屋の坂崎さん」て役柄も最初は「キャー!!」ってとっても嬉しかったんだけど、だんだん浮いてくるんだよ。彼だけがこっち側の人みたいに思えました。他にも知ってる人は何人か出ていたけど、そんなに出演シーンが多くなかったから、気にならなかった。だから新人さんって得なのかもね。ベテランはかえって難しいんだなぁと思ったよ。(私が知らなかっただけで既に有名な人達なのかもしれないけど)だからさ、外国映画の方がはまって見れるのはそういうのもあるのかも。古い映画も。いっつもテレビで見ている顔にどっぷり浸るには相当作品と配役と演技がうまく行っていないと。
一番最初のシーンから最後のシーンまで笑いと悲しみとスリルとやるせなさと無力感と怒りと・・・でも最後は笑い、という後味の良さ。明るく終わるのが嫌だという人もいるだろうけど、私はよかった。映画の中で、主役の一人康介が在日の人達の宴会で「イムジン河」を披露する場面がある。彼が最初のフレーズを弾くと、それまで「んん〜?ちょっとやってみろやい」って感じで伺っていた人達の雰囲気が「おぉ、やるな!」って感じに変わる。あの緊張と和みとその後の高まり、良かったですねぇ。自分も受け入れられたようでほっとした。最後アンソンが北に帰るのに桃子が「子供とついていくわ!」って言う場面。こういう人達沢山いたんだろうな。そして今でも生活しているんだろうな・・・と。私の立場は主役のギター弾きの男の子と同じだ。一緒に歌えて喜んで、怒られて落ち込む。当時を知る人、そして在日の人、それぞれがどういう風にこの映画を見ているのだろう。若手俳優たちは本当にみんな素敵だったんだけど、特に主役の女の子2人、そして男の子ではアンソンの友達の子(後輩ではなくて)が印象的でした。先生役の人、知らなかったなぁ。うまいなぁ。だんだん見慣れちゃうのが惜しいよ。井筒監督はこんな作品を作れる人だったんだ!え〜っと、北朝鮮と日本がサッカーの試合する前に見れて良かったなぁと。そうそう、あの歌が放送禁止歌として扱われている場面も描いてありましたよ〜、Sせんせ〜い。あぁ!あと関係ないけど、パンフレットの坂崎さんの写真!違うのにして!