浪曲1

10月18日に四谷で行われた『浪曲冒険団』という浪曲をきくイベントに出かけた。忘れないうちにメモ。

去年、ラジオで国本武春の歌を聴いてからのにわか浪曲ファンの私。地元の彼のライブで一度、大阪の一心寺で一度朗曲に触れ、三回目の今回もほぼ彼目当てでチケットを購入。それから今回は今まで聴いたことのなかった堺の浪曲師「春野恵子」も出演するということもあり楽しみにしていた。
当日は大阪から遊びに来ていたちびこちゃんと一緒に四谷地域センターへ。
その内容は素晴らしいものだった。
まず、最初に出てきた若い浪曲師「浪花亭友歌」の歌声が素晴らしい。張りのある伸びのある変な癖の無い、本当に素晴らしい声。語りの部分はまだまだこれから成長する余地があるけれども、しかし歌が本当に素晴らしい。台詞を忘れてたのはご愛嬌。姿も可愛いし、これから活躍しそうな人でした。

最初の人からこんなに上手なの!?

と思ったら、続いての「春野恵子」。
この人は東大出身で電波少年で坂本ちゃんを東大に合格させる企画の家庭教師役になっていた人だ。堺にいるというのは知っていたけれど、堺在住時代には聞く機会がなく、今回初体験。
この人が、予想を裏切って大胆な語りを見せた。最初の挨拶で自分の失敗談をフランクに語って聴衆との距離を縮めると、その後は終始にっこにっこしながら語っていく。なんだかでっかい荷物をゴロンゴロン転がしているような(?)芸風だったけども、その大雑把さに安心感も。愛嬌があって親しまれるキャラクターでした。

ほー、やるなぁ!!

と思ってるうちに、次は「玉川奈々福」。
この人が上手かった!上手な人の芸は安心して見ていられるものだけど、この人はそうだった。ゆったりと語りに身を任せて笑っていられる。語る時間は30分程なので長い筋の話の一部分を抜き出して語られる。だからストーリーの最後がわからない。
「え、ここで終わり!?続きはどうなるの??先が気になる!!」
とその先を聞きたくなる語りは初めてでした。浪曲は昔の連ドラみたいなものだったのかなぁ。これだったら連日人が詰め掛けただろうなぁと、昔の人の楽しみを想像できる芸でした。

で、とりの国本武春は、言うこと無し。
今回のメンバーの中では最長老(?)ということで、しっかりと落ち着いた挨拶から始まりました。語りは独特の台詞回しでまるで演劇のよう。こんな感情移入できる要素のちっとも無い人情物語で何で涙が出るんだろうか???と自分でも不思議ですが、文章で読んでもぜんぜんぴんとこないだろう話も、彼の歌と語りによってどんどんドラマチックなものになって胸に届きます。
歌も語りもずーーーっと聞いていたい心地よさ。どっぷりと身も心もゆだねて楽しみました。

いやあ、いいもん見たなぁ!!やっぱり浪曲って面白い!!また見に行こう!!と、満足した私の手元には、入場のときにもらった「浪曲大会」のチラシ。い、行きたい…。(続く)

↓ずいぶん前の若い国本武春(後半はバディガイ出演でブルースと浪曲について。)