マサイの恋人
寮の集会室に誰かが置いていった本。タイトルからハーレクィーンみたいな内容を想像しながら読み始めたらノンフィクションらしくて少し意外だったんだけど、読み進むうちになんともムカムカしてくるそんな一冊。
これを読んでて思い出した。前に青島から神戸へ行く船の中で一人の日本人の女の人と知り合った。時間は山ほどあるので話をしていると、なんでも彼女は数年前に新疆に旅行に行き、そこで出合ったウイグル族の青年に恋をして、とうとう日本の仕事を辞めて新疆に行って結婚したんだそう。「でも彼はなぜか家族に紹介してくれないの。(おいっ!)」と少し不安そう。今回日本に帰るのは、一回日本で仕事をしてお金を稼いで帰ってくるためらしい。結婚したんです、というので「そうなんですか、おめでとうございます。」と言ったら「この結婚をおめでとうといわれたのは初めてぇ。」と言っていたなぁ。
この本は、主人公のスイス人女性の文章を通して伝わってくる西洋のアフリカ(ケニア)に対する意識が鼻について読むのがつらくなってきますが、あー、私もそうなんですね。最初と最後を比べて読むと、彼に対する態度のあまりの落差に笑えてきます。恋って(笑)。