Singles夜、飲みかけの白ワインをぶら下げたみかん娘がふらりと遊びに来た。おお!美女と酒。この高級ドイツワインさんはキノコさんが友人の結婚式で手に入れたものだが、彼女はワインが苦手だということで、我々の元へいらっしゃったのだ。こりゃイケルねイケルねと二人でホロホロ酔って馬鹿な話をしているうちに実験に疲れて帰宅したUちゃんが参加し、なぜか中島みゆきを聞く会に。(細見先生の話を聞いてから個人的にブーム)何曲か聞くうちに「空港日誌」が流れてきて、これはどういう状況なのか?と首をかしげる。広島空港で待ってる女は誰なのだ?不倫で捨てられた女?じゃあなんで成田に?博多出張のウソはいつの話だ?よくわからん。となったのだが、今歌詞を読んでみたら、ああ、なるほどなぁ、そういうことかぁ。さすがに上手いなぁ。(こっそり載せるとこんな歌詞)
あなたの心が疲れた頃へ
もう一度呼び出す 広島空港
風が強くて YSは降りない
気の毒顔で ゲートが閉まる
「今夜の乗客は9人 乳飲み児が1人
女性が2人 あとは常連客 尋ねられた名前はありません」
あの日にあなたが博多にいたという
愛のアリバイを壊してあげたい
写真ひとつで幸せはたじろぐ
安い女と嘲笑うがいいわ
もう一度 むくわれぬ季節があなたにくれば
迷いに抱かれて戻ってくるかと・・・・・
今日も風は 飛行機を追い返す
ドアから吹き込む12月の風が
グランドスチュワーデス スカーフを揺らす
ふっと秘密を話したくなるから
冷たい声で 事実を告げて
「今夜の乗客は9人 乳飲み児が1人
女性が2人 あとは常連客 尋ねられた名前はありません」
羽田へと向かう道にさえ乗っていない
そんなこと百もわかりきってるけど、でも
妻がいるけど充たされない気持ちを抱える東京男とそんな男の影にひかれて付き合い始めた広島女がおりました。かつて博多に出張だとウソついては会いにきていた男も、生活が上手くいき始めると広島女と別れる事を決めたのでした。もともと先の無い恋だとわかっていても、一度かけた情はなかなか消えない広島女。男をもう一度呼び出し空港で待つ。しかし飛行機は強風で空港に降りず、しかも男は元々その飛行機に乗っていないのでした。風の強い広島空港で誰も知り合いの乗っていない飛行機を見送る女。
一言も関係を説明して無いのにわかるんだもの、すごい。あきらめきれない自己嫌悪混じりでやや投げやりな寂しさが届く。この人、男の家に匿名で写真を送ろうとしている。宮島の鳥居前で一人微笑む男の写真とか。そんで、家庭がごたついて男が疲れたらまた戻ってくるのではないかと、プライドを捨てた希望。う〜ん、うまい。状況を説明してしまうととても野暮。
最近、匂いを再現する機械ができてますな。http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000483.html匂いを発生させる装置に匂いのデータを送ると装置内部にあらかじめ用意してある色々な匂い成分が調合され、それに近い匂いを再現して香らせる。これを応用すると匂いの出るTVなんかも出来るという話。装置の中に用意されている香成分のパターンが多ければ多いほど、本物に近い匂いが再現される。で、私達もそんな装置を一人一人が持っている。人の気持ちを想像して共感できる装置。入力されるデータは言葉。そのデータを受け取るとそれぞれの中で気持ちが再現される。これも用意されている材料が多いほど、よりリアルに伝わるのだろう。こんなのよく言われてること。でも広島女の気持を再現してみてなるほどと思ったので。歳をとればとるほど人生は味わいぶかく美味くなるのだ!(たぶん…。)