妹

>やあ、とらしゃん。
やあやあ、ちびっこちゃん。
サッカー、やってたね。君は見ちゃーいないのだろうが。キノコさんに誘われて一緒に見たわけ。それがなんかさ、さっぱりしてて良かったんだよ。何がって、観客のいない試合がよ。点が入っても、勝敗が決定しても、当然選手達はそれなりの喜び方をするわけだけだけど、それなりなわけで、不自然じゃないんだよ。あなたの嫌いなあのパフォーマンスはさ、サポーター向けだったわけよ。
タイの会場は関係者だけが見守るあっさりとしたもので、その静かな中で選手達だけが黙々と試合してて。それに比べて日本の会場でテレビを見ているサポーター達が画面に映ると、テンション高すぎてうっとうしいってか、なんか辛かったね。サッカーが嫌なんじゃなくって、サポーターとサポーターに向けてアピールする選手についていけなさを感じてたんだとおもったよ。あと、古館とか、香取とか、川平とかああいう人達の興奮気味な喋りが。
>今日は美輪明宏の自伝を読んでいるんだけど、なかなか面白いよ。
>心の洗濯にはもってこいだよ。
本って、良い物に出会うと良いよね。心揺さぶられるよね。
あたしもさ、さっき何か眠れなくってよ、バイトの子に本でも紹介してあげようと談話室の適当な本をあさっていたのだが、野坂章如の文庫があってさ、『アメリカひじき・火垂るの墓』、読み出したらやられてしまったよ。この人の文章はちゃんと読んだことが無かったのだけど、その中の「死児を育てる」って短編と最後の解説での作者の言葉を読んでさ、「初めてのお使い」の兄弟編や、「誰も知らない」なんかの兄弟物になぜことさら弱いのかがちょっとわかったような気がしたよ。妹への薄い罪悪感からかもなと。弟にはあまり無いの。だって自分の弟に対する行為を自覚できるほどには年が離れて無かったからね。例えば、小学生のときに畑に捨てられてた子犬を見つけてね、走って拾いに行ったのさ。小さい妹もお父さんの大きいつっかけ穿いて後から走って着いてきた。で、子犬を拾って家に走って帰ろうというときにね、妹が排水溝につまずいて転んだの。でもあたしは犬の子助けるのに必死でね「先に行くけん後から来い!」って言った。妹はよ、転んだままで泣きもせずがんばって「ウンっ!」って言うわけ。こういうシーンや、その他もろもろの場面を、小さい兄弟たちの映像を見てると思い出すのよ。そうすると、こんなに小さい子だったのに・・・。と胸が痛むわけだ。この子犬の話はね、大きくなってから妹に「悪かったなぁと思うんだ」と話したら、「犬が死にそうだったんだけん、あたり前だ。」と言われてちょっと心軽くなったんだけど。
三輪さんの本も機会があったら読みたいです。あの人の声優のときの声が好きさ。髪は黄色すぎるが。
あーすっきりした。夜中のメールだから勘弁してね。
じゃあ、八月には必ず遊びに行くよ!うにゃにゃにゃ。