ナンデ考

 今日は天神橋商店街で見かけた「ナンデ屋」。今回は冷静に観察してみようとしばらく見守っていたら、店のお姉さんとお兄さんが話しかけてきたので、これの成り立ちとかの話を聞く。最初は異世代交流会(?)のような、内輪の会で話し合っていたのだけれど、外でやってみてはどうかと外に出たらそれが良くって広がっているとのこと。最初は心斎橋に一件あったらしいとのこと。会社帰りのサラリーマン風の人もお店側に立ち、二人の女の子とおじさん一人を相手に教育について話し込んでいた。前にも書いたけど、これの面白いのは、これをやっている人達が定期的に集まって統一見解を作っているということ。だから、ここでも前に聞いた「いい女とは?」の答えは充足存在とか癒し系。こんなことを言っているという証拠に販売されていたカードを購入。そこにはいい女の条件は

  1. 肯定性…周りを肯定視出来る女はいつも充たされた笑顔。その充足が周りに伝わる。
  2. 適合性…素直な女は期待に答え周りを活かす
  3. 柔軟性…楽しめる女は飲み込みが早い。だから仕事が出来る!!  とある。

そして男とは
みんなの期待に答えて闘うのが男!!追求力 前進力 統合力  とあった。
 確かに、あのように外で様々な人達と言葉を交わす機会というのはなかなか無いし、そこで出会った人達と交わって話し合うのはとても充実した気分になる。彼等も、お金をもらうためではなく、只でもいいからこうやって色々な人の色々な意見を聞くのが楽しいし勉強になるのですと言っていた。それはとても良くわかる。その場は優しくて活気のある雰囲気に満ちているし、きちんとした言葉のやり取りが出来て人間捨てたもんじゃないなという気分になる。大げさに言えば言葉をかけられてそのやり取りを通じて存在を認められているような、自己存在を肯定されている気分になる。しかしその上で。ここで作られる統一見解がどうもなじまない。違う人に聞いてるのにまったく同じ理屈でおんなじ答えを返してくるのだよ。そして言う。みんながこんな風(いい女、いい男)になれば日本は良くなっていくのにね。果たしてそうなのだろうか?中の状況を詳しく知らないから自分の憶測でしかないのだが、この答えに納得せずになんで屋をやっている人も居るだろう。そんな人も、個人としてではなく、あくまでもこの組織として意見を言っているということなんだろうか。そうなんだろうな。ではまったく組織と関係ない人が同じような名前「こうで屋」とか、で勝手に同じことを始めて、まったく違う答えを人に与えていたら、ここの組織はその人に抗議するのだろうか。世論でも二つに割れているような質問にはなんと答えるのだろうか。例えばイラク派兵や憲法改正
 もしかしたら彼等は答えの正しさよりも、その「場」を大事にしているのだと言うかも知れない。人と意見を交し合う、トークそのものに意味があると。もしも人々の意見を引き出すこと自体が目的なのであれば、確かに決まった答えを最初に設定してある方がそれに反論しやすいだろう。その後の流れはそこに居る人の腕しだいということか。
ニコニコと非常にフレンドリーでその場を愛している風なお兄さんとお姉さんでした。
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ちなみに上の「いい女、いい男」について友達に聞いてみたところ、「男が作ったんでしょ?」一名。「宗教みたいだなぁ。答えがあるって。」一名。「へぇ〜ステキ。ポストカードにもなるの?」一名。