猫が死にそう

実家の猫が死にそう。
口に腫瘍ができて、痛くて、物が食べられません。
18歳。
可哀そう、可哀そう。お腹はすいているのに。
『猫鳴り』読んで泣いた。
おばあさん猫、ネルちゃん。

母は、全ての犬猫を看取ってきている。
また看取る。
後一ヶ月くらい、どんどん弱ってくる。
年は越せない。
黒猫、ネルちゃん。

冬は一緒に寝たネルちゃん。
一緒にネズミ捕るトレーニングをしたネルちゃん。
他の兄弟はみんな先に死んで、一匹最後に残ったネルちゃん。
言葉がわかってるよ、と言われていたネルちゃん。
無口な猫ネルちゃん。
鳥みたいに細くなったネルちゃん。
もうすぐ死ぬネルちゃん。
つやつや美猫だったネルちゃん。
口の腫瘍から血が流れる。
よだれが出る。
金色の目でモテモテだったネルちゃん。
おしっこも失敗する。
口が痛くてもう15歳以上老猫用のムース状の餌しか食べられない。
この餌が近くのお店では売って無くて、ネットで探して買っている母。
あんな遅いパソコンで。
インチキな抗がん剤を買おうか迷っている母。
癌細胞をとって培養して注射して免疫を高める治療をしようか迷っている母。
病気の動物が家の中にいるのはつらい。
耐えている様子を近くでずっと見ていなければならない。
他の人に頼れない。

猫鳴り (双葉文庫)