ビビを見た!

大海赫著の童話。読後、非常に嫌な夢を見て目が覚めたような、不安な気分になる。主人公は目の見えない少年。ある日少年の頭の中で「7時間だけ目が見えるようにしてやろう。」と言う声がし、目が見えるようになる。しかし反対に少年以外の全ての生物の目が見えなくなっている。街は大混乱。バイクは群集に突っ込んで人を轢き殺すし、人々もまともに歩けない。唯一しっかり歩いているのは元々目が見えなかった人。その人の後ろにつかまって一列になって移動する人々。そんな中、町に大男(ワカオ。こいつも目が見えない)が現れる。男達は闘うが、ワカオには歯が立たず、死者3千人・・・。あ〜嫌だ〜!この物語の挿し絵がまた本当に不気味。大男は上半身裸で髪の毛が背中までボサボサ長いおじさんで、でもワカオっていう普通の人みたいな名前が生々しくって。ビビというのはこのワカオが可愛がっている可愛い女の子の妖精。ビビがどこかに飛んで逃げてしまうのを恐れるワカオがらんぼうして彼女の羽を破いたので、嫌がったビビが逃げ出した。街はそれを探すワカオに襲われたのだ。このワカオとビビの関係の辺りも何だか嫌〜!解説でよしもとばななが大絶賛していたが、彼女のように幼い頃にこの本に出会って繰り返し読んでる人は大人になってから初めて読む人とはまた違った印象を抱いているのだろう。感覚的な記憶というか。話のつじつまが合ってなくて、結局なぜ目が見えるようになったのかは書いてない。読者にいやな手触りだけ残してほっぽり出す。その理屈が通っていないところも嫌の一つ。夢のよう。う〜む、強烈。なぜこんな話を考え付くのだこの人は。

最近流行っているらしい「鳥肉ご飯」の歌。あれは歌詞が説明的過ぎてメロディーと全然あってないので良いと思わない。